最初マリの言葉に驚いた。
アレンはAKUMAの話をして、その魂はどうなったか心配をうっかりして言ってから、マリは
「お前と神田が衝突する理由がわかった・・・似た者同士だからだ<・・・>囚われてる闇が深すぎて、どうやって救い出してやればいいのかわからん」と言った。
私はアレンのような「冗談でしょう!」という反応だったけど、マリはやっぱり何年も神田を知っているところがあって、もしかしたら彼の奥底を知って、それが似てると見分けられるのではないかと、少し疑わしく思った。
私からすると、神田とアレンの闇は全く違う性質のもの。でもやっぱり、神田の闇って、何なんだ?それが私には知らない。

少しすればそれを理解するのに思いがけず近付いた。
神田は作られたエクソシストの一人。アレンと同様にAKUMAを破壊するための存在なのだ。
そして自分のイノセンスのせいか、世界を怖いほど幻だらけのように見えてしまう。いつだって変わらない、アスの花の幻。彼の死に関連する花。
アレンはAKUMAの魂が見えてしまうように、神田はアスが見えてしまう。
どちらも自分の存在の一方の基本的な理由をこれで忘れる訳がない。

でもどう見ても、この二人の闇の性質が違う。
アレンは哀れな魂の苦しみを見守って、それを救済しようとしている。アレンの心はこの魂たちの悲しみで暗くて重いけれど、彼は一生懸命それらを救おうとしている。アレンの闇は表向きとかも言えるでしょう。
神田の闇は彼の死の印で満ちている世界、決して自分の死を忘れるのは許さない世界。神田の暗闇は内向きだと思う。

でもそれはただ今の、19巻のままの推測に過ぎない。私はまだアレンのことも、神田のことも、ほとんど知らないと思う。神田のこと取分け。彼はどうしてああ行動するのだろう、彼の動機や「あの人」のこと全く知らない。

アレンの心はもっと述べられてきた。この物語は大体彼の視点から述べられる物だから。
でもアレンは昔こんなに違った性格を持っていたなんて見て、びっくりした。
やっぱりマナではなければ、アレンは愛を知らずにどんな人になったのだろう。幼いアレンの乱暴な性格を変えたのは、マナの愛だ。アレンはそれを知ってる。どのようにマナのことを思っているのでしょう?
単に寂しい優しい子を拾ってあげただけではない。
愛をしらないで、敵意だけを示す世界に対して心を強張らせようとしながら、一明かりのない寂しい世界で育ってきたアレンはずっと闇の中さ迷っていた。
マナに出会って、彼の世界にだんだん全てを変える暖かい愛の明かりが出て来た。アレンの胸をこの暖かさで満たし、いただいた愛を友達と哀れなものと共にしたがっている心を養成してくれた大事極まるマナ。

絶対たとえものにならないけど、私には日本を上げてくれた導く光に少し近い。
日本は今私から引き離すものではない。だとしたら、それは私ではない。
もしかしたらアレンもこう言って、そう思ったのだろう。
「(AKUMAの心配を)やめるにはマナを忘れなくちゃならない。それはできないんだ」
なので私は、少しでも、アレンのマナに対して大切な思い、過去の秘密はどれほど明かされても、マナを大切に思うことに変わりはない。
何があっても立ち止まらない、命が尽きるまで歩き続けるってマナに誓った
誓ったのは僕だ!
自分が・・・「14番目」の記憶にどこまで操られてたのかなんてわからないし、マナのことも正直どう受け止めたらいいのか迷ってる。
でも僕は今でもマナが大好きだ。このキモチだけは絶対・・・本物の僕の心だと思うから
だから僕は僕の意志でマナへの誓いを果たす。そう今決めた!」

その似ているような気持ちはどれほど力を与えるのは私にはわかる。
だからアレンを信じている。

アレンも信じている。
難しいけど。
堪らなく辛いけど。